車が「モビルスーツ」になる!その条件とは!?

2019/01/26


「クルマとの一体感」はどの要素で決まるのだろうか?

まず思いつくのは「ボディサイズ」や「最小回転半径」であるが、いくら小回りが効いても一体感があるとは言い切れない。なぜならば、一体「感」だから。ネガティブな「感」が勝ると一体感は損なわれてしまう。

また、フロントヘビーな車では特に減速時において、自分の体とは別の「重量物」がつんのめる様は気持ちの良いものではない。

そこで、本稿では下記4つの条件を定義してそれをクリアした約30台のスポーツカーにて比較をしたいと思う。
 1、快適性能に不利な軽自動車は除く
 2、直進安定性の観点でホイールベースは2.3M以上
 3、フロントヘビー特性のFFは除く
 4、同様にFFベースの4WDも除く
 5、ロングホイールベースは回頭性にモロに響くため2.7M以下
※ホイールベースは2.7Mを超えると回頭性が大きく落ちる傾向にある。そのためなのか、大人が4人乗れるスポーツカーであるRX-8やBMW M240i、アコード・ユーロR、ランエボ、インプ・・など全車2.7M以下となっている。やや毛並みが違うがレクサスIS-Fでも2.75M。

【動画】車が「モビルスーツ」になる!その条件とは!?(アルピーヌA110/エリーゼ/ロードスター/ポルシェ911ほか30台が登場)



★具体例(マツダ編)


まずはマツダから


・一体感といえばのロードスターは全てにおいてトップレベル
・ロードスターには及ばないものの4人乗りのRX-7がそれに肉薄している


★具体例(トヨタ編)





・この中ではMR-Sが健闘している
・新型スープラは86よりも100mmもホイールベースが短くなり、ホイールベース/トレッド比は1.55となる。
※レクサスの2台はホイールベースが2.7Mを超えているが参考として記載


★具体例(その他国産編)





・S15シルビアは特出した数値はないものの4人乗りとしてはバランスがよい
・S2000はサーキットを主戦場にするためかホイールベースは2400mm


★具体例(ドイツ車編)





・FF車(ベース含む)が大半のアウディやVWが除かれるのは予想していたが、BMWやベンツでも対象車は少ない。
・2人乗りのボクスターよりも4人乗りの911の方がホイールベースが短い


★具体例(その他外車編)





・ロータスのエリーゼ/エキシージは納得の数値
・アルピーヌA110は数値以上に一体感がある(別途レビュー予定)


★具体例(その他)



ホイールベース2300mm-2450mmのクルマ

ホイールベース2350mm以下のクルマ


★総括

「一体感がある」クルマというのは、そのクルマに乗ってすぐに「一体感がある!」とは思わない。全ての操作が自然ですぐにフィットするため、何も感じないことが多い。そのスゴさに気づくのは他のクルマに乗り換えたあとだ。筆者はNDロードスターにかれこれ個体で5台以上、(所有してるわけじゃないのに)数千キロも乗っているが、毎度NDロードスターから愛車のBMW M240iに乗り換える度にショックを受ける。自分とクルマ(M240i)との距離が遠くに感じしてしまうからだ。

今回の検証で最も注目したのはポルシェ911(997)カレラ4。戦闘機のようなクルマであるため「一体感」とはほど遠いかと思いきや、ショートホイールベース(2350mm)の恩恵は絶大で911からBMW M240iに乗り換えたあとは相当なショックを受けた。下記のとおり重量はほぼ同じなのに・・

そこで、今回の検証の締めとして車重がどこまで関係するのかを
・NDロードスター(990kg)
・911(997)カレラ4(1520kg)
にて交互に乗り比べてみたのだが、NDロードスターから911に乗り換えてもクルマとの距離を感じることはなかった。

やはりクルマとの一体感は「ホイールベース」と「マス(重量)の集中化」で決まる。


ポルシェ911はトップレベルの「一体感」があり


RRの圧倒的な個性と


トップレベルの運動性能を合わせ持ち、


ロータス・エリーゼやNDロードスターには無い「後部座席」がある


ついに気づいてしまったポルシェ911の魔力

【動画】【試乗】ポルシェ911カレラ4(997後期/PDKの変速スピード/NAフラット6エンジン音)

みんカラはこちら   YouTubeチャンネル

★カテゴリー