RX-8 タイプRSは2020年東京オリンピックまでに乗ってほしいクルマ

2017/04/02


様々な奇跡が重なって所有することができたRX-8 タイプRSともお別れの時がきた。
RX-8はこちらでも記載したとおりクルマ好きにはたまらない要素てんこ盛りのクルマ。
★最強のパッケージング
・唯一無二の最後のロータリーエンジン
・NA(自然吸気)
・超高回転型(レブリミット9000)
・FR(フロントミッドシップ)
・全幅1770mm、全長4470mm、全高1340mm
・フル4シーター、4ドア
・吊り下げ式アクセルペダル
★最強のシフトフィール
★理想的な前後重量バランスによるブレーキ性能と回頭性能
中でも2008年に登場した「タイプRS」は「エクステリア」「スナッチ」「プラグかぶり」などのネガティブ面を改善した今でも300万前後で取引されているプレミアムカーである。
これまではRX-8の良さばかりを伝えてきたが最後に「ネガティブ要素」もしっかりと伝えようと思う。
※以下すべて「タイプRS」に限定した話


★観音開きの4ドアは2ドアクーペに劣る



この写真はとある駐車場でドアが約半開位置で固定された状態。RX-8最大の特徴といえば「大人4人が乗れるスポーツカー」として観音開きの4ドアを採用したことである。確かに↓のように

「全開状態」にすれば後席へのアクセスは容易だが、ほとんどの駐車場では「半開状態」を強いられる。

↑の状態では運転席にも後席にも乗り込めない。よってまず運転席のドアを開けてドアの内側に侵入してから後席のドアを開けて乗りこむしかない。そのため2ドアより工程も多いばかりか、狭い駐車場では2つのドアがお隣のクルマにドアパンチしないようにガードする必要がある。

またタイプRSのレカロシートは 2ドアクーペのM240iやメガーヌRSのようにワンタッチで倒すこともできない。筆者のドラポジだと↓のような隙間しかないため後席へ荷物を載せるときは「後席へ乗りこむ手順(Fドア開→ドア内部侵入→Rドア開→後席へ荷物→Rドア閉)」をふむ必要があり、狭い駐車上で一人だとドアパンチする可能性が高くてヒヤヒヤする。



★トランクスルー機能がない


トランクスルー機能がないのは筆者の中で最も困ったところ。クルマいじりする人は家具の組み立てなども得意で自分でやる人も多いだろう。2ドアでも車高が低くてもトランクが小さくても一応4人乗りでトランクスルーがついていればなんとかなるのだ。92LEVINでトランクスルーにして足伸ばして仮眠したり、S15シルビアで無理やり家具を押し込んだり・・・。スノボや大きなイベント事にはレンタカーを利用するとしても、ホームセンターや家具屋で組み立て式の棚などを買ってもRX-8だと積むことができない。※中央部分は開けることができる


★スパルタンな乗り心地


ビルシュタイン製ダンパーはフラットな高速では本当に素晴らしいが、否が応でも荒れた路面を走ることになる一般道では常に体を揺すぶられる。設定が可変であればよいのだが。。


★凄まじい異音の多さ



RX-8の異音問題の1つのサングラスホルダー。特に天気が良いとプラスチックが変形するためか「ブロロロ!!!」とイビキをかいてくる。筆者はこの問題に気づいてからはご覧のようにサングラスホルダーをオープンにしっぱなしを強いられている。はっきり言って目障りだ。
あとナビから「キュル!キュル!」とこれも晴れの日に多いのだが、ナビとセンターパネルが干渉して聞くに耐えないノイズを発する。対策としてはナビ上部とセンターパネルの間にゴムやティッシュを突っこんでおけばよい。皆さんも同様の事象が発生したらナビの左右のパネルを押し付けてみて異音が治まれば同じ対策でイケる。あとあと!ドアの肘掛けあたりや、リアガラスからの異音など、もう笑うしかない。
RX-8は意外に重心が高くエンジンが軽いため「トラクション」では他のスポーツカーと勝負にならない。そのためすべての動力性能に響く「軽量」と「前後重量バランス」にてスケートリンクを滑るようにコーナリングする。そのための軽量化の結果だと思って受け入れよう。


★低速域でのギクシャク感



慣れと技術の問題ではあるが、低速域でのギクシャク感は神経をすり減らす人も多いだろう。


★2020年東京オリンピックまでに乗ってほしい


今回はネガティブ要素ばかりをお伝えしたが、S15シルビア以来約4年ぶりのMTを所有することとなったRX-8はたった2ヶ月間にこんなにもクルマと向き合い勉強することができた素晴らしい相棒だった。ご存知のとおりロータリーエンジンは耐久性と燃費性能に難がある。しかし時代は「クリーンディーゼル」「ダウンサイジングターボ」「100%電気自動車」などエコ全盛であり、ロータリー復活の唯一の希望であるRX-9が出たとしても価格は800万を超えるスーパーカーの予定だ。しかも全幅は1900mmを超える。そう、コンパクトなFRとしてのロータリーエンジンはRX-8が最後なのだ。
2012年に生産終了したRX-8。ロータリーエンジンはもって10年前後、絶頂期が3〜5万キロと『仮定』すると遅くとも2020年までに乗らなければならないクルマといえる。現時点で購入を検討している方は中古車ディーラーへ急いでほしい。
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